潤滑そこが知りたいQ&A 環境とトライボロジー編
潤滑そこが知りたいQ&A 環境とトライボロジー編
(qa2008)
出版社:株式会社潤滑通信社 第1集 発刊:2008年7月(月刊「潤滑経済」臨時増刊号 No.513) 頁数:B5判 約350頁
潤滑剤と環境との関わりや,機械状態監視の診断技術の内容も踏まえたQ&A
編集の趣旨
「環境とトライボロジー編」として,潤滑剤と環境との関わりや,近く発行される予定の「機械状態監視診断技術者:トライボロジー」資格に必要な診断技術の内容も踏まえたQ&Aとして新シリーズ化したものです。
製造工場の機械保全担当者,機械メーカー設計・開発担当者,潤滑管理担当者,潤滑剤供給・販売担当者,機械機器販売・メンテナンス担当者,潤滑剤の研究開発担当者などの方々のための実用手引書として,また新入社員などの研修用テキストとしてご活用ください。
編集の特色
カテゴリー別に一問一答のQ&A形式で,読者の方々から寄せられた質問に,各分野の専門家がお答えしております。
ユーザーの声
- 自動車関連製造A社
社内管理マニュアルの作成に大変役に立ちました。 - 金属加工B社
油種統合で困っていましたが,その対応に助かりました。 - エンジニアリングサービスC社
社内や協力会社の教育用テキストに活用しています。 - 機械商社D社
潤滑の入門書を探していました。 - 電力関係E社
潤滑油分析結果の見方がわかるようになりました。
編集内容
- 潤滑の基礎
○トライボロジーとは
○ニュートン流体とは
○ストライベック曲線とは
○粘度と温度の関係
○潤滑油保管の問題点について
○生分解性潤滑油の評価方法
○潤滑油も自然発火するか
○さび発生のメカニズム - 燃料・ベースオイル
○パラフィン系ベースオイルの高品質化
○グループIIIベースオイルの性能や製造方法
○ナフテン系ベースオイルの品質や需給動向 - 軸受・歯車と潤滑
○ATFへの要求性能
○歯車装置に使用される合成油系ギヤ油
○油種統一の問題点(ウォームギヤの潤滑)
○ギヤ油の浄油方法
○ギヤ油汚染の原因とその影響
○ベアリング焼損によるベアリングケースの変形
○油浴式減速機の潤滑管理
○軸受内輪剥離と振動
○ポンプのベアリングの焼付き
○軸受の異音
○軸受へのごみの混入
○減速機の油漏れ
○減速機のトラブル防止(芯出し精度)
○減速機の騒音トラブル
○廃風ファンの振動トラブル - 油圧と作動油
○生分解性油圧作動油とは
○油圧シリンダーが停止する時の衝撃
○油圧シリンダー固定シール部からの油漏れトラブル
○油圧シリンダーピストンシール欠損事故
○油圧シリンダーピストンパッキンの縦傷
○油圧プレスの油圧シリンダーピストン傷による油漏れトラブル
○油圧作動油の漏れトラブル
○油圧ホースの正しい取り付け方 - グリース
○生分解性潤滑油・グリースとエコマーク
○生分解性グリースとその試験方法
○グリースの性状や性能を試験する方法
○グリースの汚染劣化とその影響
○グリースの汚染劣化診断法
○自動車の等速ジョイント・ハブユニット軸受用グリース
○電動パワーステアリング用グリース
○合成系グリースの特性
○合成系グリースはどのような用途に向いているか - コーティングと固体潤滑
○トライボマテリアルとしてのPTFE
○PTFE系固体潤滑被膜
○カーボン系複合材料
○エンジン部品に適用されるDLC膜
○DLCコーティングによる低フリクション化技術
○DLC膜の基本特性
○水潤滑環境下におけるDLC膜
○バルブに使用される固体潤滑剤 - 金属加工と加工油剤
○水溶性切削油剤の希釈水
○環境対応型切削油剤
○環境問題と切削油
○オイルミストによる弊害とその対策
○効率的なミストコレクターの選定と設置方法
○MQL・セミドライ加工による効果は
○プレス油の選定と使用・管理方法
○プレス油に求められる性能と添加剤
○環境対応とプレス油 - 洗浄
○産業洗浄と法規制
○洗浄分野のVOC排出抑制への取り組み
○洗浄工程におけるVOC排出抑制対策
○切削加工後工程における洗浄剤の選定
○鏡面加工部品における洗浄剤・洗浄方法の選定
○ポリゴンミラーの精密脱脂洗浄でのコ・ソルベントシステム
○精密金属分野における洗浄剤の選定 - 添加剤
○添加剤のパッケージとコンポーネント
○添加剤の機能と役割
○潤滑油添加剤の種類と特長
○潤滑油劣化と酸化の関係
○酸化防止剤-天然と合成の違い
○水溶性増粘剤とは
○ZnDTP添加剤とは
○フリクションモディファイヤとは
○フリクションポリマーとは
○耐摩耗剤と極圧剤の違い
○極圧添加剤とは
○シリコーン系消泡剤とは
○合成潤滑油や添加剤の名前の付け方 - 潤滑法
○潤滑法の基礎
○潤滑油の給油方法
○定量供給装置とは
○定量供給装置による環境改善
○グリースの給脂方法
○グリース集中給脂法 - 設備による固有潤滑
○工業用潤滑油と合成潤滑油
○冷凍空調分野の冷媒と冷凍機油
○ダイカストプランジャー潤滑剤の選定と管理
○ダイカストマシンの作動油選定
○ダイカストマシンの作動油管理
○ダイカスト離型剤の選定と管理 - シール
○「漏れ」とは
○ガスケットの種類と特徴
○ガスケットの寿命判定
○リップパッキンの種類と特長
○リップパッキンの使用油,温度による影響
○「スティックスリップ現象」とは
○「シール面」とは
○配管継手シールテープの使い方
○配管からの漏れトラブル(応急処置)
○エアー配管のトラブル
○ガスケットパッキンの取り扱い
○ポンプケーシングのクラックによる漏れトラブル
○搬送ローラーのベアリングシール油漏れトラブル - 試験・測定・分析
○潤滑油測定のメカニズムと特徴
○油中汚染物の測定法と油中摩耗粉のオンライン計測法
○潤滑油の試験・分析項目とその意義
○潤滑油の代表的な性能評価試験
○潤滑油性状変化の原因と対策
○油圧作動油の性状分析による潤滑管理
○舶用・自家発機関とエンジン油の性状分析
○歯車用潤滑油の性状分析
○軸受潤滑油の性状分析
○潤滑油の劣化に係わる分析
○石油製品の混合と引火点の求め方 - 設備診断技術
○設備診断技術の現場への導入
○分析室型・現場型のオイル分析
○現場で有効活用されている潤滑油測定機器
○設備診断用の潤滑油オンラインセンシング
○「寿命予測保全」から「計画保全」へ
○潤滑故障のメカニズムと潤滑油の分析方法
○摩耗故障の診断方法と故障診断による経済効果
○振動計マグネット付きピックアップ取り付け方によるトラブル
○負荷変動の多い機械の振動測定
○ファン軸受の異常振動
○振動測定値の変動
○歯車の歯底にクラック - 設備保全
○新人教育のコツ
○点検員のマンネリ化防止策
○簡単なPMの進め方
○現場の改善活動
○技術・技能伝承のための現場への提言
○手の届かないボルトの緩み点検
○折損ボルトの抜き方とボルトに関する注意事項
○コンベヤーベルト破断時の応急処置
○現地機械加工
○ユニバーサルカップリングのトラブル
○潤滑油クーラーの管理
○オイルクーラーのメンテナンス
○自動車・建機の潤滑
○ガソリンエンジン油のAPI分類とILSAC規格
○APIサービス分類とILSAC
○エンジン油の省燃費化
○二輪車用エンジン油JASO規格
○二輪車用4サイクルエンジン油規格
○建設機械用潤滑剤とは
○建設機械用潤滑剤の規格化
掲載例
質問の一例
Q.パラフィン系ベースオイルの高品質化
潤滑油ベースオイルの大半を占める鉱油系ベースオイル,特にパラフィン系ベースオイルに関して,最近の高品質化などについて教えて下さい。
A.
1.ベースオイルの種類と用途
表1に示すように,パラフィン系のベースオイルはアベラビリティー,製造コストなどの点からエンジンオイルや汎用工業用潤滑油の基材として幅広く用いられています…