基礎から学ぶ潤滑管理

基礎から学ぶ潤滑管理

(junkatsukanri)
出版社:株式会社潤滑通信社
著者:久藤 樹(RMFジャパン)
発刊:2018年10月25日
頁数:B5判 128頁

 
現場の保全マンが潤滑管理を推進するための初歩的な手引き書として,潤滑管理に携わる方々の入門書として必携

編集の趣旨

 本書は,「月刊潤滑経済」(潤滑通信社刊)の連載「基礎から学ぶ潤滑管理」を再編集し,単行本化したもので,現場の保全マンが潤滑管理を推進するために役立つ実践的な内容となっています。
 本書の構成は,おおまかに三つのセクションから成り,セクション I では,潤滑管理の目的について,セクション II では,潤滑剤(潤滑油とグリース)とその選定の考え方について(具体例として,歯車・油圧・工作機械の適油選定方法について解説),セクション III では,設備管理に占める潤滑管理の位置づけと潤滑管理の推進方法についてそれぞれ解説しています。
 現場の保全マンが潤滑管理を推進するための初歩的な手引き書として活用することを趣旨としていますが,保全部門(計画保全)のほか,製造部門(自主保全)・スタッフ部門の技術者にも入門書としてもご活用いただけます。潤滑管理に携わる方々の入門書としてご活用ください。

編集の特色

 潤滑管理の目的,歯車・油圧・工作機械の適油選定方法,潤滑管理の推進方法(プロアクティブ保全)を分かりやすく解説。
 現場の保全マンの初歩的な手引き書として,製造部門・スタッフ部門の技術者の入門書としてご活用いただけます。

編集内容

I.潤滑管理の目的
第1章 メンテナンスのための潤滑管理
1.1 はじめに
1.2 設備管理と潤滑管理
1.3 潤滑管理の目的
1.3.1 設備管理のための潤滑管理
1.3.2 潤滑管理のステップ
1.3.3 潤滑改善の例
1.4 潤滑トラブル
1.5 潤滑管理の効果
1.6 メンテナンスを支える潤滑技術

II.潤滑剤とその選定方法
第2章 適油選定の基本
2.1 潤滑設計
2.1.1 最適潤滑設計のために考慮すべき事項
2.1.2 潤滑システムに必要な機能
2.2 潤滑の3要素
2.3 潤滑箇所の潤滑状態による潤滑油選定
2.3.1 潤滑状態の分類
2.3.2 ストライベック曲線(Stribeck曲線)
2.3.3 ストライベック曲線と機械要素
2.4 潤滑剤選定の基本

第3章 潤滑剤とは
3.1 潤滑油剤の種類
3.2 潤滑剤の使用目的
3.3 潤滑剤の組成
3.4 潤滑油の添加剤
3.4.1 添加剤の機能
3.4.2 潤滑油添加剤の種類
3.4.3 酸化防止剤
3.4.4 油性向上剤
3.4.5 極圧添加剤
3.4.6 油性向上剤と極圧添加剤の使い分け
3.5 添加剤の選定
3.6 ベースオイルの選定

第4章 潤滑油の粘度と粘度指数
4.1 潤滑油の粘度
4.1.1 粘度とは
4.1.2 粘度の定義
4.1.3 粘度の測定
4.2 潤滑油の粘度表示
4.2.1 従来の粘度分類法
4.2.2 工業用潤滑油のISO粘度分類
4.3 潤滑油の粘度-温度特性
4.3.1 ASTM-Waltherの式
4.3.2 粘度指数
4.4 粘度指数向上剤の効果
4.4.1 粘度指数向上剤の温度変化による挙動
4.4.2 粘度指数向上剤の高せん断領域での挙動
4.4.3 粘度と配管抵抗
4.5 油潤滑かグリース潤滑の選定

第5章 グリースの選定
5.1 グリースとは
5.1.1 グリースの組成
5.1.2 増ちょう剤の種類と特徴
5.1.3 基油の種類と特徴
5.1.4 グリースの添加剤の種類と特徴
5.2 グリースの性状
5.2.1 グリースのちょう度
5.2.2 グリースの滴点
5.3 グリースの特性
5.3.1 グリースの流動性
5.3.2 グリースの圧送性
5.4 グリースの潤滑機構
5.4.1 転がり軸受でのグリースの潤滑機構
5.4.2 チャンネリング特性とチャーニング特性
5.5 グリースの選定
5.6 グリースの使用方法

第6章 歯車用潤滑剤の選定
6.1 歯車の潤滑
6.1.1 歯車の潤滑の特異性
6.1.2 歯車の潤滑領域
6.2 ギヤ油の種類
6.2.1 ギヤ油の規格
6.2.2 ギヤ油の種類
6.2.3 ギヤ油の極圧添加剤の作用機構
6.3 歯車の損傷
6.3.1 歯車の損傷とギヤ油
6.3.2 歯車のスカッフィングと潤滑油
6.3.3 ピッチングと潤滑油
6.4 歯車の摩耗
6.5 ギヤ油の管理
6.5.1 ギヤ油の汚染と劣化がスカッフィング損傷に及ぼす影響
6.5.2 ギヤ油の汚染と劣化がピッチング損傷に及ぼす影響
6.5.3 実歯車装置の損傷との関連

第7章 油圧作動油の選定
7.1 油圧作動油の種類
7.1.1 作動油の特性比較
7.2 油圧作動油の選定
7.2.1 難燃性作動油
7.2.2 鉱油系作動油
7.2.3 特殊な用途
7.3 作動油の管理
7.3.1 作動油の使用限界
7.3.2 作動油の酸化劣化
7.3.3 作動油の汚染
7.3.4 作動油の管理基準
7.4 コンタミネーションコントロール
7.4.1 清浄度等級規格の変更
7.4.2 プロアクティブ保全

第8章 工作機械用潤滑剤の選定
8.1 工作機械とは
8.1.1 工作機械の特質と潤滑
8.1.2 工作機械の潤滑箇所
8.2 工作機械の主軸軸受
8.2.1 主軸の高速化と潤滑法
8.2.2 工作機械の主軸高速化の潤滑法
8.2.3 グリース潤滑と油潤滑
8.2.4 主軸の熱変位対策
8.3 案内面および送り機構
8.3.1 摺動面専用油の使用
8.3.2 摺動面における潤滑上の問題点と油からの対策
8.3.3 スティックスリップ現象
8.4 運動精度と摺動面油
8.4.1 摺動面油の摩擦特性
8.4.2 スティックスリップ(ビビリ振動)と摺動面油
8.4.3 位置決め精度
8.5 工作機械の歯車油
8.6 工作機械の油圧作動油の選定
8.6.1 水溶性切削油混入によるトラブル発生のメカニズム
8.6.2 スラッジ対策油の使用

第9章 給油法・給脂法
9.1 潤滑の3要素と給油法
9.2 潤滑油給油装置
9.3 グリース給脂装置
9.3.1 グリース給脂法の種類
9.3.2 グリースガンによる手動給脂
9.4 自動集中給脂装置
9.4.1 手差し給脂と自動給脂装置の違い
9.4.2 自動給脂装置の分類
9.5 オイルの必要給油量について
9.6 グリースの充填量
9.6.1 グリースの補給間隔
9.6.2 DN値による再給脂間隔の判定
9.6.3 グリースの補給上の注意点

III.潤滑管理の推進
第10章 現場の実態と潤滑管理
10.1 潤滑管理推進のフロー
10.2 現場の潤滑管理推進状況の調査
10.2.1 保全カルテの分析
10.2.2 潤滑管理の実態調査
10.2.3 潤滑管理推進体制・活動実態の調査
10.3 潤滑管理の推進

第11章 保全業務と潤滑管理の標準化
11.1 はじめに
11.2 保全方式の分類とその選定
11.2.1 保全方式の分類
11.2.2 RCMによる保全方式の選定
11.2.3 RCMを活用した保全業務
11.2.4 点検根拠理由書による点検活動
11.3 潤滑管理要領書
11.3.1 潤滑管理の標準化と定着
11.3.2 潤滑管理の実施
11.4 潤滑管理を効果的に実施するフロー

第12章 潤滑診断による状態監視
12.1 設備診断と潤滑診断
12.2 油の性状管理(劣化診断)
12.2.1 油の酸化劣化
12.2.2 管理基準
12.2.3 油のサンプリング
12.3 摩耗粉,金属分等の分析(摩耗診断)
12.3.1 フェログラフィー
12.3.2 SOAP法による金属分析
12.3.3 鉄粉濃度計による現場潤滑診断
12.3.4 鉄粉濃度計の活用事例
12.4 日常点検

第13章 プロアクティブ保全と汚染管理
13.1 プロアクティブ保全
13.1.1 予知保全とプロアクティブ保全
13.1.2 プロアクティブ保全とは
13.1.3 プロアクティブ保全の実践
13.2 汚染物質
13.2.1 汚染物質の混入
13.2.2 汚染物質混入によるトラブル
13.3 汚染管理プログラムの実践
13.3.1 潤滑油の清浄度測定
13.3.2 清浄度コード
13.3.3 目標清浄度の設定

第14章 プロアクティブ保全の実践―目標清浄度を達成する―
14.1 目標清浄度を達成する浄油機
14.1.1 遠心分離機
14.1.2 アモルファスマグネット・フィルター
14.1.3 静電浄油機
14.1.4 フィルターろ過機
14.1.5 フィルターの性能評価
14.1.6 油圧システムとフィルターの設置位置
14.2 オフライン浄油機の選定
14.3 プロアクティブ保全を実践するろ過機の事例
14.3.1 油圧装置の試運転
14.3.2 機器の運用段階での取組み
14.3.3 水分除去
14.3.4 汚染物質の混入防止
14.3.5 オンライン監視

第15章 潤滑管理の推進
15.1 漏洩管理
15.1.1 油漏れが引き起こす問題
15.1.2 漏洩管理の指標
15.1.3 現場の漏れ問題と漏洩対策
15.1.4 油漏れ箇所の見つけ方
15.1.5 蛍光剤による油漏れ箇所の特定
15.1.6 作動油の漏れの発生要因
15.2 潤滑剤の保管
15.2.1 在庫量
15.2.2 油種統一
15.2.3 適切な保管
15.3 潤滑管理推進のポイント
15.4 必要な知識の取得
おわりに

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